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【訪問インタビュー】都立本所高校

こんにちは。C.schoolの風間です。

前回の都立小松川高校訪問インタビューに続き、今回は、都立本所高校を訪問してきました。昨年、C.schoolから一人、本所高校へ進学している生徒がおり、今年も本所高校を希望している生徒がいるとても身近な学校です。最寄駅も押上(徒歩7分程度)または曳舟(徒歩10分程度)で、平井からは自転車でも公共交通機関でも20~30分程度でいける距離にあります。

また、近年、進学実績が伸びていたり、探究学習などの新しい取り組みがされていたりと、外にいる私にも校長先生中心に学校改革が進んでいるという話を耳にしていました。そこで、今年検討している子どもたちにより「生の情報」を届けたいと思い、実際に足を運んできました。

【本所高校の一般的な情報】
偏差値:男子48 – 51 女子48 – 51
一般受験換算内申基準:男子42 – 44 女子46-48
推薦受験内申基準:男子32 – 34 女子34 – 36
※上記の基準は、晶文社の高校受験案内2021を参考にしています。
R2年度倍率(推薦入試):男子2.21倍 女子・3.45倍
R2年度倍率(一般入試):男子1.68倍 女子・1.91倍
有力部活動:ボート部

教育目標:人格の完成を目指し、優れた社会人としての資質を形成する。
1:豊かな人間性の育成秩序ある学校生活を送ることを通し、思いやりの心と規範意識を培い、徳性を育てる。
2:次代を担う力の育成目標達成への努力を通して、探究心を涵養し、創造性を高め、自ら学び自ら考える力を育成する。
3:社会に貢献する精神の育成奉仕体験活動や部活動での交流を通して、地域の信頼を築き、自主的に社会貢献する精神を培う。

《一言メモ》21世紀型スキルの育成を目指して、探究学習、ICT、グローバルなどに力を入れる公立高校。近年、進学実績も向上しており、難関私学や国公立への合格者も輩出している。

《参考資料》本所高校説明会資料

今回、私が高校一年生のときの担任だった佐藤先生が本所高校で熱心にお仕事されていることを知っていたので、連絡を取ったところ、快諾してくれてインタビューが実現しました。さらに、本所高校で探究学習を担当している直井先生までお時間を割いてくれ、大変お忙しい中、約1時間半におよぶインタビューに対応してくださいました。お二人の言葉に込められている熱量から、「生徒を信じる」「これからの時代を生きる力を届けたい」そんな思いが伝わってきました。また、「学ぶ教員が多い」という言葉からも、本所高校の先生方が熱心な様子が伝わってきて、正直公立高校でもここまでやっているんだと感動したと同時に、検討している生徒にはお勧めしたいし、ぜひ一度見学に行ってもらいたい、と強く思う時間でした。

さて、ここから、インタビューをお届けしたいと思います!

先生、こんにちは!お久しぶりです。

風間くん、お久しぶりです。質問表にも目を通して、考えておきました!

お忙しい中、本当にありがとうございますm(__)m

・・・思い出話や同級生の話が15分続く

本所高校の校風

先生は、小松川高校→篠崎高校→本所高校で教鞭を取られてきましたよね。本所高校の生徒の印象を教えていただけますか。

私から見た生徒の印象をお話しますね。子どもたちは、とにかく人柄が良い子が多いです。人間性がとても良いんですよね。一方で、自信がない面も見られますが、良い面を捉えると、自分ができないことがあるということをしっかりわかっていて、自信過剰になることなく、コツコツと頑張れる。だからこそ、私たち教員は、3年間で自信をつけてあげたいと思って取り組んでいます。そして、彼らの人間性に賭けていて、彼らはやってくれる、そう信じられるから私たち教員は踏ん張れているように思います。

良い人間性の生徒と生徒を信じる先生方との間にポジティブなスパイラルがあるように感じます。先生方の雰囲気や校風はいかがですか。

前向きな教員が多く、新しいことをどんどんやっていく土壌があります。「教員が学んでいる」という印象があります。研修などの機会も多いですね。本所高校のテーマでもある、「アクティブラーニング」の意識づけを校長が働きかけていることもあるかもしれません。

※アクティブラーニング(新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて~生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ~(答申) (平成24年8月28日)用語集より)
教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入 れた教授・学習法の総称。学修者が能動的に学修することによって、認知的、倫理的、社会的 能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る。発見学習、問題解決学習、体験学 習、調査学習等が含まれるが、教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グルー プ・ワーク等も有効なアクティブ・ラーニングの方法である。

近くにいる大人が学ぶこと、大事なことですよね。本所高校が目指す学校像はどのようなものでしょうか。

教員研修の中で、このようなテーマについては話し合うことがあります。まず、学びが新しくなっていく中で、教員がしっかりと学んでいく。教員が変わり続けること。いまは探究学習がテーマにありますが、これも「どういう学校をつくりたいか?」話し合う中で、生まれてきた具体的な取り組みなんです。

社会の変化が速い中で重要ですね。こんな学校で働くのは楽しそうです(笑)先生自身も色々学んで取り組まれてましたよね。

私は実は研修で企業インターンをしたのですが、そのときから「学校と社会をもっと近づけたい」というテーマを持って。探究の担当だったときは、総合的な学習の中で生徒が、外に出てボランティアや企業インターンを行う取り組みをしました。

大学進学の前に、社会に触れることってとても大事だと思います。本所高校に合う子はどんな子でしょうか。

本所高校のカリキュラム・進学実績

学習や進路に意志が向いている人が合っていると思います。もちろん、就職希望者にも全力でサポートしますが、学校として大学進学等にも力を入れていますし、近年は進学実績が上がっており、「本所高校に入ったら良い大学に入れる」と思って入ってくる子もいるし、そうできると教員側も自負を持って取り組んでいます。

なるほど。その部分のミスマッチがないようにすることは大事ですね。進学実績を拝見したのですが、これだけ成果が出ている背景は何ですか。

長期休業中の講習、自分の頭で考えることができる授業づくり、など具体的な取り組みは色々ありますが、やっぱり教員の取り組みが変わって、入ってくる生徒の意識が変わってきていることは大きいと思います。また、1~2年の頃から外部の予備校の人たちに、受験の説明をしてもらったり、意識づけを3年間見通して実施しています。実際に、2年の秋頃、ちょうど今頃ですね、そういう話を聞くと急に受験勉強スイッチが入る子も多いんですよ。

説明資料拝見したのですが、3年間のカリキュラムがしっかり設計されていますよね。先生は英語科ですよね。英語教育も力を入れているようですね。

英語の単位数を多めに設定していて、英検も全員受験しています。講習中心に対策もしっかり行っています。留学生の受け入れなどもして、探究と並んで、グローバルにも力を入れています。

楽しそうですね!部活や行事はどうですか。

ボート部が強いですね。部活は90%以上の生徒が入っています。行事もがんばって取り組んでいます。勉強も部活も、行事もがんばりたい子が多いです。

あ、そうだ、探究学習担当の直井先生を呼びますね。

※探究学習とは(学習指導要領より)
探究の見方・考え方を働かせ,横断的・総合的な学習を行うことを通して,自己の在り方生き方を考えながら,よりよく課題を発見し解決していくための資質・能力を次のとおり育成することを目指す。(1) 探究の過程において,課題の発見と解決に必要な知識及び技能を身に付け,課題に関わる概念を形成し,探究の意義や価値を理解するようにする。 (2) 実社会や実生活と自己との関わりから問いを見いだし,自分で課題 を立て,情報を集め,整理・分析して,まとめ・表現することができ るようにする。 (3) 探究に主体的・協働的に取り組むとともに,互いのよさを生かしな がら,新たな価値を創造し,よりよい社会を実現しようとする態度を 養う。

本所高校の探究学習

はじめまして。生物の教員で、探究学習の主担当をしています。

お忙しいところ、本当にありがとうございます。私たちは「主体的な進路選択の実現」をミッションに塾を運営しています。御校の「大学入学がゴールではない」という合言葉のもと、大学でしっかり学びを深められるようにテーマを高校時代に探究する取り組みに大変共感しました。
生徒が主体的に進路選択するために、探究学習で取り組まれている内容や目指している姿を教えていただけますか。

今までは、学校の授業でも教員がレールをひいて、そのレールを歩んでいればよかった時代かもしれません。先行き不透明で変化の激しい社会の中で、これからの未来を生きる子どもたちは、自分自身でテーマを決め、自分で探究し、自分で発信するというサイクルを回す力が求められてきます。このサイクルを高校時代に自分の力で回す力を身につけて欲しいと思っています。そして、大学選びにおいても、偏差値だけではなく、自身のやりたいことを起点に選ぶことができるきっかけにしたいと思っています。

具体的な取り組みの詳細は、お手元の資料(写真)のものになりますが、自分自身の内面と向き合う時間を取り、同時に書籍やワークショップ、講演会などを通じて情報のインプットを行います。その上で、1年生の秋には、8つの分野からテーマを選択し、各分野で小グループにわけてゼミ活動を行っていきます。

おもしろいですね…!ちなみに、このテーマはあとから変更もできるんですか?

はい、できます。生徒には、自ら選択をすることに真剣に向き合ってもらいたいと思っています。選択をして、探究をはじめてみて、これは自分が探究したいテーマではなかったと気づくこともありますし、最後までやった結果、自分がやりたいことはこれじゃかったという結論になることもあります。でも、それってすごく大事な気づきで、そういうことも含めて選択の経験をして欲しいんですよね。これは今後の人生でも続くことだと思います。

本当ですね。私も大学に入ってから、「何でこの学部にいるんだっけ?」とわからなくなったことがありました。そもそも考えてなかったんですね。だから、あまり学部の研究も頑張りきれなかった。このプロセスは絶対必要だと思います。生徒は最終的にはどんなことをするんですか。

地域のフィールドワークや文献を通して深めていった後に、最後には論文にまとめて発表を行います。用紙10枚におよぶ論文を書いています。

とても良い経験ですね。私も大人になって、インプットをして、しっかり言葉にしてアウトプットすることの重要性を強く感じています。生徒の様子はどうですか。

探究を通じて、大きく変わる子もいます。先日の1年生へのガイダンスで、上級生に説明をお願いしたのですが、当初は「何でこんなことしなきゃいけないの?他の学校はやってないじゃん。」とあまり乗り気でなかった子が、後輩に熱を持って探究のおもしろさを伝えてくれたんです。「自分のやりたいことが見つかった!」とも。私から言ってくれるようお願いしたわけではなく、本心で語ってくれていました。探究活動を経て、本当に意味のある活動だということを心から感じてくれたのだと思います。

すごい… これは感動… 先ほどからお話を伺ってて、思ったのですが、先生方の熱量が高いですよね!先生方が探究にこんなに熱い想いを持たれているのはどんな背景があるんですか?

そうですね… 私は、生物の教員なので、生物の授業を通じて生徒に探究してもらいたいという思いを持っている一方で、大学院で研究しているときにふと思ったんです。一人ひとり、興味を持つことって違うはずだから、自分の好きなことを探究する時間を届けたいなって。あとは、他の学校に視察にいく機会がありました。あるアクティブラーニングに力を入れている学校をみて、これからの学校はこうなっていくはずだし、やらなければならないと思ったんです。

佐藤先生も探究に想いがありますよね。

直井先生の話を聞いていて嬉しくなってきました…そうですね、私も学校視察にいったり、研修でアクティブラーニングを学んだり、先ほどお話した企業インターンをしたりして、探究が必要だし、探究をやりたい!と思いました。

やっぱり、先生たちの学ぶ意欲と経験から来る思いがあるからこそ、生徒に伝わるんですね。これからの本所高校がとても楽しみです。
今日はお忙しい中、ありがとうございました!またお話を聞かせてください。

インタビューを終えて

話を聞いて終始ワクワクするインタビューの時間でした。字面の情報でも「探究」「グローバル」など、新しい取り組みにチャレンジしている学校であることは目にしていましたが、内心「本当にそうなの?」という疑問もありました。しかし、良い意味で裏切られる時間でした。逆に、「公立の高校でのここまで取り組めるんだ!」と感動も。正直、自分は地方の公立中学校の教員しかやったことがないので状況が全然違うし、自分の高校時代とはもう時代が全然違う。私自身が学び、確かめ、子どもたちに伝えていかないといけないと思いました。(今回も学校内まで見切れなかったのでまた訪問させていただく予定です!)

同時に思ったことは、このようにカリキュラムや学校の進化が遂げられるのは、その裏に「想いがある先生」がいるからです。同じ探究学習の授業をやっても(あるいは、国数英どんな教科を教えることでも)教育者側の想い、熱量で中身は全く違うものになります。教育は人なり、どんなにコンテンツやカリキュラムがよくても、教え手によって、受け手の人生は変わる。

これから進路選択をする中学生には、そこにいる先生や先輩といった「人」を自分の目で確かめて来て欲しいなと思います。そして、佐藤先生、直井先生のような熱い先生の想いや存在がもっともっと進路選択をする中学生にも伝わり、中学生が自分の心が突き動かされる高校へ「主体的な進路選択」ができる社会になれば良いなと思います。

ということで、今後も機会を模索しながら、学校訪問を続けていきたいと思います。

最後に先生とツーショット!楽しく、学びのある時間をありがとうございました!