こんにちは。みなさん、ゴールデンウィーク最終日はいかがお過ごしでしょうか?私は体験に来てくれる子どもたちに、どんなカリキュラムを提案しようか考えていました!体験授業とはいえ、定期テストや受験を控えた子どもたちもいらっしゃるので、一人一人が最大限の力を発揮できるように、私も全力で関わっていきたいと思います。楽しみです^^
さて、今日は、ゴールデンウィークに読んだこの3冊を紹介したいと思います。テーマは入試改革とこれからの時代に求められる力。2020年の入試改革を境に、学校教育は大きな過渡期に入ります。私たちも、しっかりと情報を収集し学びながら、これからの時代を生きていく子どもたちのためになる塾になっていきたいと思います。塾での学習に生かしていくことはもちろん、ブログや保護者様向けの勉強会を通じて、役立つ情報を提供できるように努めてまいります。
教育激変2020年、大学入試と学習指導要領大改革のゆくえ
2020年の入試改革により、大学入試は大きく変わります。具体的に言うと、いままではすべてマークシート式だったセンター試験ですが、国語と数学に記述式の問題が追加され、英語は「話す」「書く」が加わり4技能が測られるようになります。これに伴い、丸暗記型の学習では到底太刀打ちできない問題へと変わっていきます。実際に私も解いてみましたが(こちらで例題が見られます)、かなり頭を使いました。国語総合の問題では、文章の意味を理解し、論点を把握して、的確に答える必要があります。丸暗記ではなく、考える力と表現する力が求められるのです。数学の問題でも同じく、問題の意図を捉え、知識を「活用する」ところまで求められます。
難しくはありますが、これらに対応する力を身に付ければ、間違いなく社会で使える本質的な力になる、と感じました。私たちも学び続け、子どもたちが目の前の定期テスト、受験勉強を乗り越えることはもちろん、将来大学受験をすることになっても通用する基礎力をきちんとつけられるようにサポートしていきたいと思います。
また、この本は、東工大で教鞭をとる池上彰さんと同志社大学で教鞭をとる佐藤優さんの対談形式で語れていますが、学生と触れ合う中で感じる課題意識として「大学進学の自己目的化」をあげられています。つまり、「大学進学すること」が目的になってしまい、大学に入ってから目的を見失ってしまう学生が多いとのこと。これは私自身も、まさにそのような学生だったので(笑)、子どもたちには、「なにを学びたいのか?」「本当にいきたい志望校はどこか?」を見つけて欲しいと思っています。
そのために、将来を見据えた進路情報の提示や様々なヒントを提供するディスカバリープログラムを通じて、子どもたちの心に火をつけられるように努めていきます。
AI vs 教科書が読めない子どもたち
「AIに仕事が奪われる」ということは、最近よく言われることですが、実際どのような仕事が奪われるのでしょうか?また、AIはどこまで成長するのでしょうか?
そのヒントがこの本に書かれています。AIの限界と、AIが奪いうる仕事、そして、人間にしかできないことがわかりやすく書かれています。詳細は、本書に譲りますが、「読解力を身につける大切さ」が書かれています。意味や文脈を理解し、想像することはAIにはできず、人間にしかできません。
AIの限界の例として、「私は、山口と岡山に行った。」を英訳しなさい、という問題があったときに
I went to Yamaguchi and Okayama.
とAIを使った翻訳機は直せます。正しいですよね。
でも、山口が人の名前だったら、
I went to Okayama with Yamaguchi.
でなければなりません。
このように、機会は文字通り受け取ることはできますが、文脈や意味まで理解することはできません。一方で、AIは、人が決めたことをそのままこなすことが大得意です。「言われたことをそのままやる仕事」の多くはAIが奪っていくと言われています。
つまり、人間にしかできないこととして、意味や文脈を把握して、その場で求められるものを考える力こそが必要になってくるのです。実は、それらの社会の変化が、先ほどの入試改革の話にもつながっています。「言われた通りに覚えるだけの知識暗記型」の力だけでは不十分で、「文脈や意味を理解し、論点を把握して、表現すること」が社会の中でも、入試の中でも求められるようになってきているということになります。
そんな時代になる中、この本の中では、子どもたちの「読解力不足」を深刻な問題として捉えています。例えば、テストの問題文自体が理解できていない子どもがかなりの割合でいるというデータが示されています。
このような事実を直視し、私たちは、「読解力」(や思考力・表現力)の向上のために、ディスカバリープログラム(作文指導やプレゼン指導を含む)を提供していきたいと思いますし、また、学習指導においても、「内容がわかっていないのか」「問題文の意味がわかっていないのか」丁寧に見つめながら、子どもたちの課題を特定し、学力向上を支援していきたいと考えています。
本当に頭のいい子を育てる世界標準の勉強法
タイトルを見ると、なんだか大げさな話だと思う方も多いのではないでしょうか。私もその一人です(笑)ただ、この本で言われていることは、実は基本的なことが多いです。自ら学ぶ子(自ら探求していける子)を育てるために、必要なヒントがたくさんありましたので紹介します。
ー自分で決めさせることー
自分にあった勉強の方法や学び方さえも、自分で決めさせるのが良いと述べられています。子どもは「どうすればいいの?」と聞きがちだし、大人も「答え」を与えがち。でもそこをぐっと我慢して、ヒントを与えるにとどめ、自分で探求させる。最初は難しくても、子どもは好奇心や自己成長意欲を必ず持っています。そう信じて、大人が少しずつ少しずつ成長を支援することが大事です。
c.schoolでは、入塾時に勉強ノートをお渡しし、自らの学習を管理してもらいます。定期的に、講師が確認してアドバイスをしていきます。自分にあった学習方法が見つかれば、そこからは、どんどん伸びていきます。答えを教えるのは簡単ですが、子どもたちの短期に止まらない中長期に渡る本当の意味での成長を粘り強く支援していきたいと思います。
ー地頭力を育てる5W1Hの質問ー
これから重要になってくる「会話力」。「5W1H」で質問すると子どもの論理的思考力が育つと言います。
"子どもの話を引き出すためには、「それはどのくらい練習するの?」など子どもが答えやすい質問をします。意見を差しはさむときは「それは、楽しそうだね」と肯定しましょう。このときに、5W1H(誰が<WHO>、いつ<When>、どこで<Where>、何を<What>、なぜ<Why>、どのように<How>を石井して、「今日は何をして遊んだの?」「だれと?」「どこで?」と一言ずつ聞いていくと、子どもは何を話せば良いかわかるのでどんどん喋り出してくれます。5W1Hの会話を重ねていくことで、子どもは自然と論理的に話すことができるようになり、自分の頭で考えるようになります。"
私たちも子どもとの関わりは、「子ども主体」で進めていきます。「子どもの言葉」を大切にする関わりをすることで、子どもたちの「自分の考え」を表現できるような力を育んでいきたいと思います。
ー「〜しなさい」と言わないー
どうしても「勉強しなさい」「宿題やりなさい」など、言ってしまいがちではないでしょうか。しかし、実はそれが子どものやる気を削いでしまっているもの。
"人間の脳は一度「やらされている」と受け身に感じてしまうと、脳が抑制され、前頭葉を中心とする「やる気の回路」がなかなか働かなくなることが脳科学的にも示唆されています。"
私たち、c.schoolは「勉強しなさい」と言わずとも、タブレットを使った最先端のeラーニングシステム、勉強ノート等を含め、自ら勉強したくなる学習空間づくりと関わりを徹底していきたいと考えています。
ー暗記は朝にー
知識は、脳に余裕がある朝の方が蓄えやすいと言います。また、人はどうしても忘れる生き物。ドイツのエビングハウスという心理学者が発表した忘却曲線(人は何時間後に何%忘れるか、を示した曲線)などに基づいて、適切なタイミングで復習することが大切です。暗記のコツなども教えていきたいと思います。
以上、長くなってしまいましたが、何かの参考になれば幸いです。
また、書籍はc.schoolに置いてありますので、保護者の方でご興味ある方はお立ち寄りの際にお声かけください^^