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ゲストティーチャー⑥「なりたい自分になる2つの方法」(起業家・エクゼクティブコーチ)

2020-08-30

ゲストティーチャー⑥「なりたい自分になる2つの方法」(起業家・エクゼクティブコーチ)

こんにちは。C.schoolの風間です。8/16(日)に実施した特別授業ディスカバリープログラムのレポートを書きたいと思います。

夏の3連続企画の第一弾として、元シリコンバレーのエンジニアで、現在は、自ら事業を経営すると同時に、エクゼクティブコーチ(※経営者などにコーチをする人)として活躍する小野さんに「なりたい自分になる方法」をお話いただきました。

小野さんと私の関係は、Teach For Japanという団体に派遣の元、教員をやっていたときの同期の関係で、派遣された学校は違いましたが(小野さんは公立小学校、私は公立中学校)同じ地域で挑戦をした仲間です。場所は違えど、本当に大変なことも、本当に幸せな瞬間も、心の底で共有できているとても信頼できる方です。C.schoolオープン直後のゲストティーチャー第一弾も小野さんにお越しいただきました。(そのときのレポートはこちら

小野さんが教員時代に使っていたこの図は、C.schoolでも使わせてもらっています。シンプルですが、「なりたい自分」を考え、そこまでの道筋を考えて、そこまで、やり切ること。これはC.schoolが伝えたいメッセージとぴったり同じですし、私たちはそれを「受験」という挑戦を通じて、「なりたい自分」を実現した原体験を子どもたちに持ってもらいたいと思っています。

この「なりたい自分」になるプロセスは、抽象化されたもので、頭ではわかっても、実際にできるとは違うもの。小さくても具体的な成功体験を積み重ねることが大切だと考えています。

だから、多くの人が通る受験、ほとんどの人が人生最初の自分で決める進路選択をその成功体験の一つにしてもらいたい。そう願って、C.schoolの仕組みを考え、子どもたちと関わっています。このプロセスをただこなしてしまうのではなく、本気で「どんな自分になりたいか」「どんな高校生活を送りたいか」「どんな高校が良いか」考えてみる。そして、今の自分を把握して、その目標を達成するためのプロセスを考える。そしてやり切る。そんな経験を、人生で初めてに近い、自分で決める選択となる高校受験でできたら、それが原体験となり、高校生になっても、大学生になっても、大人になっても、「主体的な選択」をして自分らしく生きていける人になる。そんな人が溢れた社会であったら、より幸福度の高い社会になる。そう信じています。

さて、話がそれてしまいましたが、そんな背景もあり、夏の特別授業では、小野さんに、大きく「なりたい自分になる方法」の枠組みをお話いただき、翌週には、そのプロセスを受験を通じて実現したC.schoolの卒塾生2人(別途レポートします)に話してもらいました。

今回は小野さんの話で印象に残った2つの話をご紹介。昨年の記事でも書いていますが、私自身もこの1年の自分自身を振り返りながら、改めて咀嚼して書いてみたいと思います。

制約を取り払って「なりたい自分」を考えてみる

日々を過ごしていると、意外と考えることがない「なりたい自分」。少しだけ考えようとしても、あれこれと「できない理由」が先行してしまうもの。小野さんは、「無限にお金があったらどうしたいか」考えてみると良いといいます。思いつくもの、ワクワクすることは、とにかく考え抜いてみる。書き出してみる。

でも、これ意外と難しいんです。その理由の一つは、「自分でやりたいこと」を考えること、探すことに私たちは慣れていない。小さい頃から、言われたことをこなすことの方が多いんですよね。私も大学生のとき、とても苦しみました。言われたことを上手にこなして大学まで来れたけど、やりたいことがない… 周りの先輩に言われる通り、なんとなくバイトしてなんとなく勉強してなんとなくサークルして。「自分でやりたいこと」を考える力がなかったんですね。だから探し回りました。留学してみたり、インターンしてみたり、ボランティアしてみたり、たくさん読書をしてみたり、バイトを掛け持ちしてみたり。それがやりたいことかはわからなかったけど、探し回った。そうすると、徐々に「自分のやりたいこと」を考える材料が集まって、考え続けることで、考える力がついてきます。私は、たまたま、そのことに気づかせてくれる先輩に大学時代に出会えましたが、そうでなければきっと、周りの空気や周りの人がいったことを、ただこなすだけの学生生活を送っていたように思います。いまでも同じです。もっとやりたいことはないか、もっとワクワクすることはないか、探して考えています。最近は、リベラルアーツ(一般教養)を学ぶゼミに参加して学んでいるのですが、これもやりたいことを探すプロセスの一貫です。歴史、美術史、経済、哲学など幅広くさらっているゼミですが、今度子どもたちにもこんな特別授業できそうだなぁーとか、こんな生き方を大事にしたいなーとか、考える材料がたくさん溜まってきて楽しいですね。

そして、これは、「受験」でも同じことなんです。「どんな高校に行きたいの?」と聞かれても、まだまだ「わからないです。」という子も多いと思います。だから、考える材料を探しに学校見学にたくさん行って、本気で考えることをやっていく必要があるのです。そうしないと、なんとなく成績でラベリングされて、「あなたの成績だからとりあえずここ行けば良いよ」「周りの友達がこの辺だからこの辺で良いや」と受動的な選択になっていきます。私は、「偏差値の高い高校に合格した」という実績よりも、子どもたち一人ひとりが「主体的に選んだ学校に合格した実績」の方が重要だと思っています。

なぜなら、この選択のプロセスと選択を実現したプロセスにこそ価値があり、子どもたちにとって、そのプロセスは一生続くからです。大学を選ぶときも、仕事・会社を選ぶときも、もっと言えば、結婚相手、住む場所、etc あらゆる決断に繋がるのではないかと思います。「自分で自分らしく、自分の納得いく決断ができる力」がついていけば、より豊かに生きられる。と思っています。

あと、もう一つ、そもそも「制約を取り払う」ことが難しい。これは、大人になればなるほど、経験を積めば積むほど、難しくなっていく肌感覚が自分の人生を通じてあります…苦笑 が、まずは考えてみることが重要だと思います。全部書き出してみた上で、次に制約を考える、という順番に変えてみる。私自身も、いきなり制約を取っ払って全部やることは難しいと思っているので、できることから積み重ねるように生きています。例えば、学校の先生になりたい!と思ってもいきなり会社をやめてキャリアチェンジするのは、怖かったからまずはボランティアから始めました。世界一周の旅に出たい!と思っても仕事が忙しくてそんなの無理だ、、と思ったら、週末海外旅行から始めれば良い。人種差別のない社会をつくりたいと思ったら、まずは身の回りで差別のない環境になるように働きかけていく。制約を取り払って考えてみた「やりたいこと」を、いまできること、にずらしてみると少しずつ豊かな人生になっていく。そんな気がしています。

勉強でも同じですよね。◯◯くんみたく、数学で100点取りたい!でもいま30点。私は頭が悪いから、小学校のときちゃんと勉強しなかったから。自分の頭の中にある「制約」で諦めればそこでおしまいですが、まずは50点、1年後に70点、卒業するまでに100点とる!だったらいけるかもしれない。そうやって少しずつ、少しずつ、自分の人生を豊かにしていけたら良いですよね。

人生を変えるコミュニケーション

小野さんのお話の中で、自分一人では生きていけない、周りの人とともによりよく生きることが大事、というお話がありました。

「心のバケツ」のお話です。誰もが心の中にバケツを持っています。そのバケツは人とのコミュニケーションを通じて、「泥水」か「黄金水」が注がれていく。

「泥水」はネガティブな言葉や関わりで、「黄金水」はポジティブな言葉や関わりです。「泥水」が溜まりに溜まっていくと、溢れ出て他の人にも「泥水」を与えてしまう。一方で、「黄金水」が溜まっていくと、「黄金水」が溢れ出るような人になる。「黄金水」を溜めるためにはどうしたら良いか。「黄金水」が溢れている人のそばにいく、というのは一つの答えですが、本質的なのは、自分が「黄金水」を人に与えて、人のバケツから溢れ出てきた「黄金水」を受け取ること。

小野さんから講演の中で「あなたの心のバケツの状態はどういう状態ですか?」という投げかけがありました。感想をみると多くの子どもたちは、「泥水が溜まってきてた」「黄金水をお母さんから注いでもらってる」など自分の状態を俯瞰した上で、「もっと黄金水を人に注げる人になりたい」と書いていてとても素敵だなぁと思いました。

店員さんが無愛想、駅でぶつかってくる人がいる、荒い運転をする人がいる、ネガティブな言葉をいってくる人がいる、いつも怒っている人がいる、、、私たちは「泥水」を浴びせられると、それに反応して、「泥水」をかけ返してしまいそうになることがあります。でも、そのときに、「泥水」を出している人の心のバケツを想像してみる。そうすると、少しだけ、自分に余裕を持って、「黄金水」を大切にして生きることができるかもしれません。その先に「黄金水」で溢れた人の周りには「黄金水」で溢れた人がいます。そうやって、少しずつ自分を「黄金水」で満ちた人間に成長していくことができたら、きっとより豊かな日々になっていくように思います。

感想

小野さんのお話を受けて、みなさんに書いていただいた感想を読んでいて、本当に素敵な方々がC.schoolに来てくれているなぁと心から感動しました。どんな話に触れても、最終的に捉えるのは自分次第。前向きに捉えてくださる方々に出会えて本当に嬉しいです。少しだけど、子どもたち、保護者のみなさまの感想を紹介させていただければと思います。

(子どもたち)
・自分なんてどうせできないからとか思いがちなのでいい方に考えてみようと思えました。
・一言に将来を考えるといっても色々な視点がある事がわかってとても良かった
・最後のバケツの話は自分にもあてはまってていたのでとても良かった!
・改めて、出来ないと決め付けるのではなく、自らやってみる事が大事なんだなと思いました。
・私は泥水が多いような気がしたので、黄金水を沢山出して、分けれるような人になりたいと思いました。 行動を沢山して、素敵な人生をおくりたいです。信頼できる人に自分もなりたいと思いました。
・自分が泥水を入れられても相手には黄金水を入れてあげられるような優しい人になろうと思いました。これからのことを全然考えていなかったので自分に問いかけてしっかり考えていこうと思いました。
・何をしたいのか、そのためにどう頑張るのか、など自分の中でしっかり考えていけるようにしたいと思いました。
・自分への問いかけなどやったことがなかったのでこれをきっかけに自分に問いかけてみようと思いました。将来自分がやりたいこと、してあげたいことをしっかり考えたいと思います。
・今回のDプロで、特に人間関係の話が心に残りました。この話を聞いて今、自分が信頼できる人を見つけ、その人のようになりたいと思いました。又、常に自問自答をし、なりたい自分に近づきたいです。
・タラレバから考えても発見できることがあるんだなと思い、子供のうちに沢山考えなって言われることの理由なのかなって思いました。バケツの話では親や先生に沢山満たしてもらっているから、自分も満たし返せるような行動や結果がでるようにこれからも頑張りたいと強く思いました。よく日本に合わないから海外に行ったらって言われるので私も海外で色々な経験をやってみたいです!
・特に印象に残っているのはバケツの話です。黄金水を持っている人の近くに行く、自分が黄金水をあげるという部分は、例えばスポーツで誰かが声を出す(掛け声・応援)と周りの人もそれに乗って全体が明るい雰囲気になるのと似ていると感じました。自分も少しずつ、その場の雰囲気を上げて全体を引っ張っていけるような人になっていきたいとより思えました。

(保護者のみなさま)
・こうなりたい!と考えて思い描きながら進んでいく事はとても大切なことだと、改めて思いました。一生懸命に、誠実に、と自ら行動していると同じような人達が集まり、信頼できる仲間となる。難しいことですが、まずは自分の出来ることから頑張れたらいいなと思います。 バケツのお話もとても良かったです! お互いに黄金の水で満たせるようになりたいです。
・2つの心のバケツの話が特に印象に残りました。まずは、自分の黄金の水のバケツがいっぱいになるように意識したいと思います。そして、自分の行動で、周りの人の黄金の水を少しでも増やすことができたら周りの人もハッピーになれるかも、と思いました。今日もためになるお話が聞けて、充実した時間を過ごせました。ありがとうございました!
・『なりたい自分』に向かって努力し行動し進む事がとても大事で、必ず実現できるとの事でした。簡単そうで一番難しい事です。 努力せず直ぐに諦めてしまい(自分ではやり遂げたつもり)他人は他人だからと自分なりに納得。 突き進んでいる人は本当に輝いていると実感しました。 子供の人生も輝きを持って進んでくれる様、それを支え見守ってあげられ様、自分も努力しないと駄目ですね。
・私たち親世代と年齢の近い方のお話しを伺えて大変勉強になりました。 小野さんをはじめDプロでお話ししてくださる講師の皆さんは「やりたいことをやる」 という大変シンプルなお考えで行動し、出会った人々との関係性をとても大切にされているという点が印象に残ります。 目指していることややり方はそれぞれでも大切にしていることは同じであり、大変共感できました。 また、不幸な事件の例を挙げてのお話しもしてくださいました。私も子どもたちにはその一片だけでなく様々な目線から観た背景も考えられる人になってほしいと常々願っておりました。 まずは私もキラキラの黄金水をたくさん蓄え、周りに分け与えられる人でありたいと思います。 ありがとうございました。

小野さん、お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました!!

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