こんにちは。風間です。
今日は、8/16(日)に卒塾生の2人がゲストティーチャーとして話をしてくれた特別授業ディスカバリープログラムについて。受験を通して実現した「なりたい自分」、そしていまの高校生活で実現する「なりたい自分」についてお話してもらいました。受験期の様々な出来事、気持ちの浮き沈みといった感情、意識的に取った行動、そして、それらから得た経験・学び。彼らのそんな貴重な体験はまさに学びの宝庫。力強い言葉の数々、伝わってくる充実感に、とても惹きつけられました。特に、中3生にはとてもダイレクトに刺さるメッセージだったようです!
「私が実現したいこと」という軸では、過去最高のディスカバリープログラムでした!私は教員時代から、この取り組みを続けてきましたが、たくさんの子どもたちと関わる中で多くのことを感じてきて、自分なりにいつも考えていることがあります。それは、この取り組みが、「”いま”子どもたちに必要なメッセージになっているかどうか」ということです。中学生の頃の自分であっても響くものになっているかどうか、ということ。
「なりたい自分に出会える塾」を掲げていますが、私たちの役割は、それを子どもたちに押し付けるのではなく、「なりたい自分」に向かって歩むことが楽しいことだと感じてもらえるプロセスを届けること。それを定期テストや受験を通して実現します。子どもたちは、だれもができるようになりたいと思っていますから、学習方法の改善や学習指導を通じて、その思いを表出させ、行動に変えていくサポートをしていきます。もちろん、”結果”としての、学力向上に子どもたちとともにコミットします。学力向上という結果にコミットするからこそ、そのプロセスから得られる学びがあるからです。でも、振り返ったときに大事なことは、結果ではなく、結果を出すためにどんなプロセスを歩んだか、だと思っています。
一方で、このディスカバリープログラムは慎重に取り組まないと、「なりたい自分」という大人の理想を、子どもたちに押し付けるプログラムになってしまう、といつも自戒しながら取り組んでいます。だからこそ、ディスカバリープログラムは、結果にフォーカスするのではなく、「なりたい自分」を実現したプロセスに注意深く焦点を当てています。結果として現れるもの(職歴・学力・偏差値etc)よりも、一人ひとりが納得して生きていることの方が重要だと思っています。逆説的ですが、そのように生きている方は、”結果”として他者評価を積み重ねている方が多いのも事実。結果には再現性はないけれど、プロセスには再現性があるのだと思います。
このプログラムを通して実現したいことは「子どもたちが”いま”なりたい自分を実現する一歩を踏み出す勇気を得られること」。”未来”は”いま”の延長でしかないので、”未来”にワクワクするだけでは、すぐにいつもの自分に戻ってしまってなにも変えられない。“いま”を、少しずつ、よりよく変えていくことが何より重要だと思っているので、子どもたちの”いま”に響くものを届けたい。(子どもたちの”未来”は、子どもたちに押し付けるのではなく、私たち大人が子どもたちが大人になったときにワクワク生きられる社会に変えなければいけない!)
という観点から、自身が受験を通じて勇気を振り絞って挑戦し、様々な葛藤を乗り越えて受験を突破し、充実した高校生活を送る”ちょっと先”の先輩のお話は、なによりもダイレクトに響くお話でした。2人の話は本当に素晴らしかった。
悩んで、悩んで、考え抜いて、悔いのない選択と行動をする人
と、私がラベリングした(激レアさん風)のは、高校一年生女子のUさん。結果として、倍率5倍以上、成績も遥かに足りてなかった学校へ大逆転で合格を成し遂げました。「悔いのない選択をしたからこそ、楽しい高校生活が待っていた!」と言う言葉が響きました。
彼女が入塾してくれたときの出来事は忘れません。夏休みが終わってすぐあとのこと。一人で塾に飛び込んできました。
「私、今まで勉強まったくしてこなくて… 無理かもしれないんですが、行きたい高校があります。塾に入ったら合格できますか?」
それから、今までのことやいまのこと、将来のことを話してくれました。塾に一人で飛び込んできてしまうくらいですから、そこまでの人生のストーリーも意志に溢れたもので、感動したのを覚えています。気づけば2時間くらい、Uさんの「人生」に聞き入り、C.schoolとしてサポートできることを考えていました。
そして、最後にもう一度、「塾に入れば、本当に学力は上がりますか?」と単刀直入に聞いてくれました。この質問って、実はすごく勇気のいる質問だと思います。本当に学力をあげたい、志望校に行きたい、強い意志を持っているからこそ、まっすぐな言葉で聞くことができる。
そのときにはもう、Uさんの合格をサポートしてあげたいと心の底から思っていました。でも嘘はつけません。誠心誠意、事実とその思いを伝えました。
「塾は学力をあげるサポートをしている場所だから、全力でそのサポートをするし、ベストな方法を上がるまで考え続ける。わからないところは全力で教える。ただ、”結果”まではコントロールできないのは事実。最後は、自分次第。でも、受験を終えたときに、できることをやりきった自分と迷ったままやりきらなかった自分を想像してほしい。もし、やり切ると決めて、そのための手段の一つとして、C.schoolを選んでくれるなら、本気でサポートする。」と。
それから、1週間後くらいに、C.schoolへの入塾を決めてくれました。たくさん悩んだと思います。この「塾選び」でさえも、これだけ自分の人生の当事者として、強い意志を持って入ってきているこそ、その後の学習への取り組みの姿勢も人一倍強い気持ちで臨んでいました。
でも、入塾時の成績からははるかに高い目標。偏差値でいえば10近く、内申点も足りていない状態からのスタート。しかも時すでに9月で、みんなより遅れてのスタートでした。入塾2ヶ月後に受けたV模擬では、D判定。たくさん勉強したのに結果に出ない。この時期は、周りの友達との比較にも苦しんだと思います。それでも、そこまでの頑張りはたしかに力に変わっていて、基礎力を模試やテストの成績に反映させるまであと少し、という様子も見えていました。相当に落ち込んでいましたが、それでも目標がある人の強さ。そのあともめげずにがんばりました。本人は、志望校見学にいって、改めて「この学校に行きたい!」と強く思ったことがモチベーションになったといいます。すると、なんと、翌月のV模擬でA判定。私もめちゃくちゃ嬉しかったのを覚えています。
しかし、受験生の12月は本当に色々ある時期です。併願推薦や滑り止めも含め、学校にも、受験校をどこにするか伝えなければならないプレッシャーもあるし、周りの子たちの動きも気になります。学校生活での人間関係等、そのほかにも悩みもあるはず。そして、何より、時間がない。そんな焦りと戦い、勉強が手に付かないでいる様子も見えました。そして、直前のV模擬ではC判定… 都立一本での受験を考えていたため、「選択を迫られる」ときでした。
そして、Uさんが出した結論は、「推薦入試までは第一志望でやり切る。それがダメだったら、別で考えていた安全校を受ける。」という選択でした。周りからは「◯◯高校は、内申重視だし、倍率もトップクラスに高い学校だから宝くじを引くようなものだよ。」と言われた都立の推薦入試。実際、内申も足りていませんでした。都立一本での受験だったため、プレッシャーや迷いもあったと思います。
それでも挑むと決めた強い意志。直前まで、小論文、面接、集団討論、とたくさん練習しました。「部活もしてないし、芸能活動をしていたから不利かもしれないです」と言っていたけど、でも、それはむしろ有利だと伝えました。都立の推薦入試、半分は内申点だけれど、半分はその人の人柄、ポテンシャルをみるためのもの。芸能活動や主体的な人生を通じて培った大人顔負けのUさんの人間性が、きっと推薦入試という形で、なんとか高校の先生に伝わるはずだと信じました。学校社会の少ない評価軸で評価され続けていると、人と違うことがネガティブに感じてしまうことがあるけれど、社会の評価軸はもっともっと多様だから、きっと教育のプロである先生たちはわかるはず。
伝えたいことを言語化するために、より伝わりやすくするために、前日も最後の最後まで、模擬面接の面接官の自分がぶつける質問に回答し続けました。実際に受験を終えて、「伝えたいことは伝え切ることができました!」と言っていた姿が印象的でした。
それから合格発表までは長く感じましたが、なんと、なんと、倍率5倍を、しかも内申点が足りない状態で、合格…!! 心の底からの安堵とともに嬉し涙を流しました。そして、なによりも、いま高校生活を「描いていたような青春生活を送れています!」と学校生活を楽しむ姿をみて、心から嬉しく思います。
志望校をどこにするか、リスクをとってどこまで挑戦するか、正解はありません。結果について、あとからあれこれいうのは簡単です。でも、そのプロセスを悩んで、悩んで、悔いのない選択と行動を繰り返していくことは本当に難しい。そんな生き方をするUさんの言葉からは、後輩たちだけでなく、私たち大人が学ぶことがたくさんありました!
どんな状況でもポジティブに捉えて、新しい未来を切り開いていく夢のある人
と、私がラベリングした(激レアさん風)のは、高校一年生男子のRくん。第一志望にわずかに届かず、第二志望の学校へ。でも彼の将来の夢や目的は変わりません。結果が第二志望であろうが、本気でやり抜いたその経験がいまを作り、とても充実した学校生活を送っていました。
Rくんが入塾してきてくれたときのことも忘れません。とあるお休みの日曜日、仕事を終えて帰ろうとしたとき、エレベーターであって「塾の人ですか?見学したいんですが」と出会ったこと。あと5分早く出てればすれ違いでした(笑)
Uさんとは違う形ですが、Rくんからも強い意志を感じていました。Rくんの現状を聞き、塾の説明を一通りして、「何か聞きたいこととか相談したいことはありますか?」と聞くと、「静かに勉強できる環境ですか?」「塾ではどれくらい勉強できますか?」と質問してくれました。Rくんは、「前通っていた塾は騒がしくて集中できなくて、いつでも質問できて静かにきちんと勉強できる環境が欲しい。」という自分の意志をしっかり表明してくれたのを覚えています。このとき、自分は「こうやってしっかり勉強したいと思っている子が絶対に損をしない学習環境を作ろう」と心から思いました。意志を持っている人の言葉って、すごく人を動かすんですよね。
そして、それから何度もRくんの勉強に向かう凄まじい姿勢に驚かされることになります。Rくんも第一志望として高い目標を掲げ、夏休みからとにかくストイックに勉強を続けました。しかし、夏休み明けはじめて受けたV模擬では、D判定。現実が突きつけられ、とても落ち込んだと思います。それでもRくんは常に前を向いているんですよね。V模擬の結果を振り返って、もっとこうしたらいけると思います、と。こちらが励まされるくらいいつもポジティブにがんばっていました。また、Uさんと同じく、このあとすぐに、志望校見学に行き、モチベーションを高めたといいます。周りに「無理だ。他の学校考えてみないか?あの学校も良い学校だぞ」と言われながらも、めげずに努力を続けました。
ある定期テストの時期には、1日17時間勉強したといいます。さすがにこちらも心配しましたが… Rくんは完全に勉強モードに入っていました。実際に、テストのあと「できました!」という手応えを聞いた時、そして実際に成果が出ていることを知ったとき、私もすごく嬉しかったのを覚えています。そこから、Rくんが素晴らしかったのは、改善する力。勉強を量から質への転換を試みました。最後には質が伴った量という結論を出し、いまでも質を高める挑戦を続けていると言っていました。これって、本気で勉強をしたことがある人だからこそ、言えること・できることだと思います。
「量」を本当の意味でこなしたことがない人が語る「質」は、そこに「量」からの「逃げ」がある可能性があります。実際には、「量」も「質」も両方大切です。「量」での限界に気づいたRくんだからこそ、より当事者としての意味を持って「質」を本気で考えることができているように見えました。その姿勢は、私がいままで出会ってきた優秀な人たちとまさに同じものでした。できることを、言い訳せずにやり切る。その上で、改善点を見つけて修正していくこと。
また、Rくんは成績が伸びたものの、最後のV模擬で、第一志望校はC判定。B判定にも近く、まだまだ伸びる要素があっただけに本当に悔しかった。第一志望を諦める、という決断をするまで、本当にたくさん悩んだと思います。正直、私自身が、自分の無力さへの悔しさと、もっと違う方法があったんじゃないか、もっとしてあげられたことがあったんじゃないか、という悔いがありました。情けなく、悔しかった。(Rくんと伴走した、その経験が、いまの自分に生きています。ありがとう。)
でも、Rくんが出した結論はとても前向きなものでした。もともと考えていた第一志望がダメだったときの第二志望。Rくんの「化学か生物、もしくはこれから興味が出たことを学ぶために、大学に進学したい」という目標に対して、第二志望の学校であれば、自分はがんばれるとすでに前を向いていました。さらには、「まだ1ヶ月以上あるんで、トップ合格目指します」と言っていた姿も印象的でした。だから、V模擬では合格確実判定が出ている志望校に変えたあとも、決して勉強の手を緩めませんでした。Rくんの勉強している目的が、志望校合格よりもはるか先にあるからだと思います。
なんと、都立の受験が終わって合格したあとも、都立の問題を解き直したんだとか。受験が終わったあとも、LINEで勉強の相談をしてくれたり、おすすめの本を聞いてくれたりもしました。そして、いまも高校で友達と勉強サークルを作り、また、積極的に先生に受験や将来の希望などを伝えて勉強のサポートをしてもらい、充実した高校生活を送っているそうです。本当に素晴らしい。そんなことが聞けて嬉しい!
Rくんは、V模擬でも、定期テストでも、受験でも、そしていまの高校生活でも、「現状を受け入れ、目の前の結果だけでなくもっと先も見据えて、ポジティブに未来を切り開いていく」そんな姿勢を常に持っているように見えました。きっとこれからも。もちろん、目の前の結果を出すことはとても重要だけど、結果は思い通りにならないこともある。そんなときに、腐るのではなく、その状況を受け入れて、より良い未来のために、どう行動するかで、人生の豊かさは変わる。Rくんの言葉と姿勢は、受験生のみんな、そして我々にも勇気を与えてくれました!
感想
とても人を突き動かすストーリーとメッセージでした。高校生活という忙しい日々の中、C.schoolのために時間を割いてくれた二人に心から感謝します。二人がこれからさらにより幸せな未来を切り開いていくことを心から応援しています!
(子どもたち)
・今日の話しを聞いてこれからどんどん大変になるけど頑張った分楽しい高校生活が待ってるんだなって改めて思った!
・行きたい高校に行けるように、もっと沢山勉強しようと思いました。
・これからの勉強の仕方や、高校選びの参考になりました!自分もこれからの勉強を頑張ろうと思いました。
・偏差値が足りてるかどうかでは無くて、行きたい高校を目指す事が大切だという事が分かりました。
・2年後に経験することだと思うので、直接話しを聞けてよかったし、推薦のことも話していたのですごく勉強になりました。
・高校生の2人は、共に受験勉強期間に不安や悩みが多かったことを感じました。その中での逃げず諦めずの姿勢が凄いと思いました!私は最近逃げ気味にあるので、やるべきこととしっかり向き合わなければと思いました(^-^;また、高校がとても楽しいと聞いて、さらに高校生活への憧れが強くなりました笑今日はありがとうございました!高校生活楽しんでください!
・2人とも勉強時間がなかなかヤバくて、3年になったら自分もこうなるのかなと思うと少し緊張する。
・自分もあと1年と少しで受験があるのでとても参考にななりました!高校の選び方も参考になりました!
・18時間はめっちゃ驚きました!笑私もこと夏休み途中からなんの為に勉強するのかがよく分からなくなっていて、全然頑張らなかったなと思っています😖でも昨日小松川高校に行って、今日のDプロを聴いてみて、自分の行きたい学校の為にするんだということをまた思い出した(?)、再確認した(?)ので、これからもっと頑張っていこうて思いました。18時間やっても足りなかったということは、自分もいくらやっても足りないときがあると思うからできるときにできることをやる。口だけになってるからもっと頑張る。
・なんか言ってることがめっちゃかっこよかった(´ー`)🎵
・高校の決め方や受験のためにどんなことをしたらいいかがわかりました!
(保護者のみなさま)
・経験や自分の思いをわかりやすく、とてもしっかりしていて、お二人ともキラキラしていました!!貴重なお話ありがとうございます!!
・自分で選択して挑戦していた(している)充実感なのか2人のキラキラ感が画面から感じました。うまくいかなかったときは、それを受け入れるのはきついと思うのですが、挑戦を続けられるのは、意志を持っている人の強みなのかなと感じました。内申や模試の点数で高校を決めがちですが、そうではないことを伝えてくれる風間先生や関屋先生には感謝しています。
・我が子からは聞く事が出来ない子供の思いや考えを聞けたのがとても参考になりました。まだまだ子供だからとどうしても何やかんや行動、言動に対して口を挟んでしまいますが自分の道を切り開く為には見守ってあげる事の方が大事なんですね。今日のお二人の話しを聞いて、たくましさと清々しさをとても感じました。あっという間の高校生活ですがおもいっきり楽しんで過ごしてください!ありがとうございました。
・高校1年生のリアルな話しを聞けて参考になりました。夏期講習最終日にお話しを聞けて、よかったです。娘も受験や高校生活に希望が持てたような事を話しておりました。
・二人ともしっかりしてるなぁと思いました。やはり見学が大事だと思います。来年はたくさん高校見学に娘と行きたいと思います。
・先輩の貴重な体験からの感想、新鮮な感情、どれも素敵でしたね。そして言葉の選定、考え方や捉え方がとっても成熟していて頼もしかったです。高校生は無敵であれ!