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勉強を楽しむ!(書評)

2020-10-30

勉強を楽しむ!(書評)

こんにちは、関屋です。

近隣の多くの中学校で、定期テストまで2~3週間となりました。いくつかの中学校ではテスト範囲表も配布され、塾として試験前に行っている追加開講も昨日から開始しました。

ここからテストまでの期間、一人ひとりが今回の定期テストをやりきることが出来るよう、まず十分な学習場所と学習時間の確保からサポートしていけたらと思います。

また、こうした子どもたちの学習時間=量の確保と併せて、子どもたちのテストの点数を伸ばすためにもう一つ(むしろ量よりも)大切となるのが、効果・効率的な勉強の”方法”。本やインターネットの記事から参考となるものを読み漁りつつ、また私たち自身が過去から現在まで行ってきた勉強方法の実体験も咀嚼しつつ、子どもたちにその方法を日々伝えています。

現時点でのまとめとも言えるような効率的な勉強方法のレクチャーについては、「定期テスト対策 説明会」という位置づけのもと、明日の夜にオンラインにて行う予定です。

今回お話するものは、子どもたちに普段から細々と伝えているものではありますが、一度全体感をもって一から伝えられたらと思い、この機会を設けさせていただきました。Zoomを使い子どもたちにはお家から入ってもらう予定としていますが、誰しもにとって必ず参考となる内容となると思います(そういったものにします)。子どもたちはもちろん、ご都合が宜しければぜひ保護者の皆さまにもご覧いただけたらと思っています。

「同じ勉強をしていて、なぜ差が付くのか?」

「定期テスト対策 説明会」では、「教育」や「学習」のジャンルで日々読んでいる本の中から要素として使えそうなものを参考としつつお話もする予定です。そうした本のうち、最近読んだ一冊に↓の本がありました。

これは石田勝紀さんという方が書かれた本で、この方はもともと学習塾を営み、現在は学習に関する多くの本の執筆や講演をされている方のようです。たまたま出会い読んだ本だったのですが、いざ読んでみるととても参考になる部分がいくつかありました。その中の一つに、内容として面白い部分でありつつも、明日の説明会でお話する予定の内容とは関連性が少し薄く、おそらく触れることにならないものがあります。今回は、”番外編”としてここでその内容をご共有できればと思います。

本書の内容

まずこの本全体で書かれている内容をざっくりですが三行でまとめると、

・同じ勉強をしていても差が付く理由は、いわゆる机に向かう”勉強”の時間に限らず、日常のすべてから学びを得られているかどうか。

・日常のすべてから学びを得られるは、その人に「考える力」が養われているかどうかによる。

・考える力は他者からのアプローチで後天的に伸ばすことが可能で、そのためには10の問い(“マジックワード”)が有効である。

本書 P9,P186の内容などを中心に作成

というものです。(無理やり三行としてしまっているので、若干乱暴な要約なのは失礼します)

そしてこの10の問い、マジックワードは以下の通りとのこと。

①「原因分析力」をつくる→「なぜだろう?」

②「自己表現力」をつくる→「どう思う?」

③「問題解決力」をつくる→「どうしたらいい?」

④「抽象化思考力をつくる」→「要するに?」

⑤「具体化思考力」をつくる→「たとえば、どういうこと?」

⑥「積極思考力」をつくる→「楽しむには?」

⑦「目的意識力」をつくる→「何のため?」

⑧「原点回帰力」をつくる→「そもそも、どういうこと?」

⑨「仮説構築力」をつくる→「もし~どうする(どうなる)?」

⑩「問題意識力」をつくる→「本当だろうか?」

-本書P20より引用

ここでマジックワードとして紹介されている問いの多くは、(言葉の表現は違うことはあれ)C.schoolの個人面談や日常的な会話でも頻繁に出てくるものではあるのですが、今回その中でも一つ、

“⑥「積極思考力」をつくる→楽しむには?”

について、今回個人的に気になるところがありました。これについて、少し書いていきたいと思います。

勉強を楽しむには?

本書では、勉強に対して「楽しむ」というマインドを持てている人の方がパフォーマンスが高く、良い結果を得ることができる。そのために(子どもが楽しく勉強するために)、他者ができるアプローチとしては、「問いの力」と、「他者の姿勢」の二つについて書かれています。(「問いの力」と「他者の姿勢」という表現自体は本に直接出てくるものではないので、私の方で咀嚼して少し言い換えをさせてもらっています)

問いの力

この「問いの力」に関しては、「勉強を楽しむには?」という問いを子どもに伝えることで、その答えが出てくる/出てこないに限らず、この問いについて考えること=こういった思考をすること自体に意味がある、として紹介されています。

勉強に限らず何事もそうだと思いますが、何事に対しても「楽しんで」取り組むことの大切さは実感があります。自分自身のこれまでの経験を思っても、例えば勉強でも新たな発見がありわくわくするもの、逆にただの単純作業の繰り返しに感じてしまうもの。もしくは仕事であっても、それ自体がやりがいを感じやすいもの、逆に退屈に感じてしまうもの、そのそれぞれがあった思います。楽しさを感じづらく、どうしても単調に思えてしまうものは、(それは多くの場合、同時に必要性も持っているので)様々なシーンで存在しているはずです。

ただ、そうした単純作業などに対して、何か自分なりに意味付けをしてみたり、何かゴール設定をしてみたり。誰にも知られないような小さな目標を持って取り組んでみることはモチベーションを保ち、パフォーマンスを上げる上で大切な意識の持ち方であるように感じられます。

これは勉強も同じで、「勉強はつまらない」と思いながら、やらなければならないものとして、もしくはやらされるものとして取り組む状態と、楽しんで自ら勉強を進めている状態では、その結果も少なからず変わってくるはずです。

勉強を楽しむ、というのもその楽しみ方はもちろん何でも良いはずで、定期試験で何位以上を目指す、何点以上を目指す、自己ベストの結果を出す、のような大きな目標はとても良いと思いますし、もっと細かなところでは「いまから〇時間で~~を〇個以上覚える」などで目標を持って取り組むのも良いと思います。ここに一つの正解はないはずなので、何かしら楽しさを感じられるものを一人ひとりが発見できたらと思います。(ちなみに私の場合は中学時代、テストでの順位がモチベーションになっていたので、一つでも高い順位を取ることをある種ゲームのように捉えて楽しんでいました)

C.schoolのある生徒には、先日の定期テストで学年一位を取るような力を持った子もいますが、その子はテスト期間の学習計画表の項目中「学習週間」というところに、目標の一つとして「楽しんで勉強する!」といつも書いてくれています。(私からの何か促しによるものでもなく、純粋な自らの意志のみで書いています)

実際、その子のテスト期間の様子を見ていると、長時間の勉強で時に大変そうな様子も見せつつ、その感覚すら含めて楽しそうに勉強に励んでいるのですが、これは、その子が結果的に勉強を楽しいと感じている、というよりも、その子が「楽しむ」ことを自分で先に決めてしまっているので、必然的に楽しみ方を見つけ、楽しむことが出来ているのだと思います。

「楽しむと決める」という意識の持ち方は素晴らしいと思いますし、毎回そういった目標を見る度に私自身も同じ意識を持っていなければと刺激をもらい、自分自身を振り返る機会ともさせてもらっています。

他者の姿勢

「問いの力」の話が少し長くなってしまいましたが、子どもが勉強を楽しむためにもう一つの有効なアプローチとして本書で書かれているのが、子どもと関わる周囲の大人が「その人がやっている目の前のことに対して、楽しそうにしている」ことです。何事に対しても楽しく臨むこと。これを体現している姿を見ているうちに、それが自然と子どもに伝播していく、というものです。

言葉による「問いの力」とはまた別の効力を持ったアプローチだと思いますが、子ども自身にとってより自発的な気づきを促す意味で、この周囲の人の姿勢は本質的に大切だと思います。むしろ、この「周囲の人の姿勢」が前提とあった上で、はじめて「問い力」も意味を持っていくようにも思います。(逆に言うと、どれだけ「楽しむためには?」と問うていても、それを問うている人自身が何事にもつまらなそうにしていると、あまり意味を持たないことは想像が出来てしまいます)

これも「問いの力」の話と同様にわが身を振り返る要素であることを実感します。特に現在のテスト前の追加開講の期間はあまり休みなく駆け抜けていく期間としていますが、その中で自分自身がどんな姿で子どもと接しているのか。子どもたちも徐々に疲労が溜まっていく中、私も疲労感が滲む様子でそこにいるのか、むしろ楽しくいられるのか、それによって場の雰囲気も大きく変わってくることだと思います。

おわりに

書評といいつつ、本よりも足元のことばかり書いてしまったような気もしますが(笑)、本自体とても参考になるものでしたので、もしご興味ある方はご連絡ください。お貸出しします。またなにか本を読む中で、保護者の方々にも参考となるかもしれないものがあれば、また今回のようにシェアしていけたらと思っています。

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