こんにちは、関屋です。
近隣の小松川一中、小松川二中、亀戸中、吾嬬立花中は試験考査まで残り約一週間となりました。先週から始まった試験対策ですが、この土日にも多くの生徒が試験勉強をしに来てくれています。
土日に行う試験対策は、塾で最大で一日12時間まで学習することも。一日かけてひたすら黙々と暗記の勉強をしている子もいれば、理科や数学の学校のワークの分からない問題を持ってきてくれ、それを何度も質問してくれる子もいました。
土日の試験対策も、平日の通常授業と同じように私たちに分からない問題の質問が可能です。むしろ平日以上に土日の方が半日や一日といった長時間の中で関わることができるため、普段以上にさらに深いところまで教科指導を行っていくことが可能な部分もあります。
また一日を通して暗記の勉強をしていた人でも、「国語のこの古典のところ、どんな風に勉強したら良いですかね?」と聞いてくれたりもしました。これは子どもたちによく伝えていますが、分からない問題を聞くだけでなく、「勉強の仕方」についての質問や相談も大歓迎です!一問一問の問題解説ももちろん大切ですが、むしろこういった相談や会話が、学習全体としてはより効果的で点数へのインパクトが大きいところもあります。
昨日の授業でのある出来事
現在の試験対策の話とは少し逸れるのですが、昨日の授業の時に一つ嬉しい出来事がありました。
それは、私が担当として関わっている、ある中学2年生の子が、塾内で行った数学の単元テストで86点を取ったということです。
ここで本当に嬉しかったのは、その点数をその子が取れた、という事実よりも、そこまでの過程の部分にあります。
C.schoolでは、一つの単元が終わるごとにその内容の理解度を確認するため単元テストを行っているのですが、その回数は、本人のその単元の理解度や、目標として設定している点数の難易度の高さなどによって大きく変わります。
その子は昨日に86点を取るまで、初回にテストを実施した8/6から昨日の8/30までの間に、計15回のテストを行っています。1回あたり30分のテストなので、単純計算でも7時間半。同じ単元(具体的には、一次関数でした)に対して、繰り返し、繰り返し、テストを行ってきました。(C.schoolで使っている学習システムでは、同じテスト範囲に対して、出題問題をランダムに入れ替えて、何度もテストを行うことができるようになっています)
そしてその15回のテストは、特にテストの点数が徐々に上がってきた8月の後半からは、私からの声掛けによって行うものではなく、本人自身による「もう一度、テストをやりたいです」という希望から行い続けていました。何度もリトライし続ける中で、一番初めに行ったテストの時から50点以上も点数が上がり、ついに昨日、目標としていた80点を超える目標達成に到達しました。
これまでのこと
その子は約一年前に入塾をしてくれたのですが、これまで学校の定期試験では、悔しい思いを何度も経験してきました。(入塾直後からすぐに点数を上げてあげられなかったことは、私の力不足です)。ただその中でも、もっと出来るようになりたいという、本人の思いは、これまでの会話や何度も行ってきた面談の中で、確かに伝わってきていました。なかなか言葉にしてそれを表に出すタイプではないのですが、内に秘めた思いとして、それは確かにずっとありました。
「まずは一教科、明確な結果を出そう」「得意教科ではないからこそ、その結果を数学で出そう」。勉強に対して自信を失いかけていたその子との会話の中で、そんな目標を約半年前に打ち立て、具体的な目標点数を定めました。
まずは一教科、それを苦手教科に対して、明らかな結果を残す。本人の学習に対する自信獲得や、やればできるという感覚、達成することの楽しさ。そういったものを感じてもらいたい私の思いがあり、今後の成長へ向けた最初の段階として、そうした目標を設定しました。
そこからは特に数学に対して比重を置いた学習を進めていく中、前回の定期試験では目標とした数学の点数まで、「残り11点」。目標達成が目前、と言えるにははまだもう少しですが、それでもその前回の試験と比べて「18点」の点数アップとなりました。一つ一つ積み重ねてきた努力が、少しずつではあるものの、形になりつつありました。
そして前回の定期試験、一学期の期末試験後の振り返り面談。目標達成できず、悔しい思いを話してくれました。
「次回の定期考査でこそ、目標達成しよう。いまの気持ちで続けていけば、必ず達成できる」。お世辞でもなく、本人の姿を見ていると実際にそのように感じ、伝えました。
次回の定期試験へ向けて
少し前後してしまいましたが、こうした背景もあった中で、その子は夏休み中、その一次関数という次回試験範囲の単元に対して、本当に粘り強くチャレンジし続けてくれました。数学という教科の特性上、国語など他の教科と比べると比較的には先生の独自性が出ずらい=同じような問題しかある程度は各学校で出題されづらいこともあり、塾の学習システムで高得点が取れるようになると、ほぼそれが比例的に学校のテストの点数へと繋がります。要は、特に数学は塾のテストで高得点が取れるようになれば、学校のテストでもそのまま高得点が見込めます。
もちろん次の定期試験に向けてはまだもう一段階頑張りどころがあるのですが、そこへ向けて、まず良い段階を踏めていることは間違いないと言える状況です。
自らの希望による、計15回のテスト実施。そして、塾内テストとしての目標達成。やりきって結果を出したことも素晴らしいのですが、自分の意思で、執着心をもって、チャレンジし続けたことに大きな意味を感じます。
目の前の目標に対して、それを深く自分ごととして捉え、チャレンジし続ける。うまくいかなくても、何度も何度も粘ってやりきる。この気持ちであることが、テストの点数や学校の成績についてもそうですし、それ以外のすべてにとっても、とにかく意味があると思っています。
執念や執着心とも言える気持ちを持って何かに臨んでいることは、それだけ自分の目の前のことに対して、それを自分ごととして捉えられている現れなはず。定期試験についても、受験についても、何となくなあなあで終わらせず、そこに自分なりのこだわりを持って突破してほしいと思っていますし、それが勉強にかかわらず、その人自身の人となりを作っていくのだと思っています。
その意味で、それが学校の成績など何か具体的な評価に直結するものでなくても、自分が決めた目標に対して、それを目指して達成しきる、達成しきろうとする、ということがとても大きく、昨日の出来事として私がとても嬉しく感じた背景でした。
今回は、ある一人の生徒のこれまでのストーリーについて少し触れましたが、もちろん、一人ひとり全員の子どもたちに、また別のストーリーがあります。
本来、テストは楽しい!
「テスト」という言葉を聞くと、苦々しい表情をする子は少なくありません。ただ、本来、テストは楽しいものだと感じます。学校や模試で行うテストは、他者との比較や、成績などの評価に使われます。そしてそれは全体から見て間違いなく必要なことなのですが、同時に、それが「テスト」に対してのマイナスイメージを膨らませている気がします。
テストは、本来、過去と現在の自分の差分を確認するもの。自分自身の成長を可視化するもの。そう捉えられると、テストは楽しいものであると、子どもたちを見ていると感じられます。
自分自身ができるようになったことを実感できるとやっぱり嬉しいですし、それが自信となって、また次の行動に対して自然と後押ししてくれるものでもあるはず。その姿を見ると、私もまた嬉しいです。
きっかけ作りをすることは、私たち講師の一つの役割。そんなことを考えながら、また子どもたちのチャレンジを後押ししてけたらと思います。