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子どもと向き合って考える、勉強の本質

2022-02-05

子どもと向き合って考える、勉強の本質

こんにちは、藤井です。

久しぶりのブログ更新になってしまいました。年が明けてから1ヶ月以上経ってしまいましたが、今年は更新の頻度を上げていこうと思います。

さて、今回のブログは勉強をする際の目的意識についての話です。

私が担当しているある生徒が、勉強時間は確保しているのになかなか成績が伸びないと悩んでいました。その子は担当の私から見ても、ワークも3周以上進めて丸も付いていて、塾の授業でも順調に進められていて問題がないように見えていたので、私も頭を悩ませていました。

子どもたち一人ひとりと向き合うと見えてくる勉強の「質」の大切さ

まずは本人に具体的な勉強の進め方を聞きました。ここでは特に、ワークを何周やったとか何時間勉強したとか計量的なものではなく、自分で解けるようになるまで繰り返しているかや、覚えているかのチェックをどうやって行っているかなど、勉強の質の部分を詳しく聞きました。ここは外からではなかなか見えにくいところなので、本人から聞くしかありません。

聞いてみると、ワークを3周以上やらないといけないということで、丸付けを後回しにして数十ページ分の丸付けをまとめてやっていたり(これは自習の時に指摘してすぐに直してくれましたが)、丸付けをすることが目的になってしまって1周終わった後にほとんど頭に残っていなかったり、本当に時間がなくなるとお母さんに丸付けを手伝ってもらっていたり、自習のなかでは見えなかった実態が見えてきました。

勉強の目的は「問題を解けるようになること」

ここで問題なのは、この子がワークを何周も進めることを目的・目標にしてしまっていたことです。本来試験勉強で目標にすべきなのは「定期試験で点数を取ること」や「入試に合格すること」です。さらに言えば、試験勉強とはその目標(定期試験や入試)に向かって、「自分で理解する」ことや「自分で解けるようになる」こと、また「覚える」ことです。つまり、「理解すること」や「解けるようになること」、「覚えること」ことが勉強の目的になるはずです。

「理解する」「解けるようになる」「覚える」これらは全て、自分自身の変化です。今までできなかった問題ができるようになることや、新しい知識を覚えることは、「できなかった自分」や「覚えていなかった自分」から「できるようになった自分」や「覚えた自分」への変身です。つまり勉強とは本来、自分自身が変化するということで、新しい自分に出会い直すということだと思います。

哲学者の千葉雅也が『勉強の哲学』という本の中で

勉強とは自己破壊である。(中略)勉強とは何をすることかと言えば、それは、別のノリへの引っ越しである。

と言っています。自己破壊とはつまり変化すること。ノリというのは今自分の置かれている環境(家庭や学校、習い事など)の、規則や習慣のようなものです。新しい知識や言葉、概念などを学ぶことで、今まで自分が心地いいと感じていたノリにノレなくなる。例えば、負の数を学んだ中学生は「2-3=-1」だと知ってしまったので、小学生の「2-3は計算できないんだよ!」というノリにはついていけないですよね。

試験勉強に打ち込んでみよう!

しかし人間は現状維持を望むので、「できなかった自分」や「覚えていなかった自分」から「できるようになった自分」や「覚えた自分」への変身には脳にストレスがかかります。このストレスを乗り越えるために、テストの点数を上げることや入試に合格すること、という目標は大きな力になります。

テストの点数は、勉強を進めるための「目印」のようなもので、本来勉強は自己の内部に変化を起こすものです。でも、自己の変化を自らの意志で起こすことはなかなか難しい。というより自己の変化を目指して変化したのだとしたら、それはもともとの「変化したい自分」からほとんど変化していないです。むしろ、試験などの「目印」を目指して勉強を進める中で、その環境に巻き込まれているうちに自己の変化が自ずと起こってしまう。そういうことが重要なのだと思います。

だからこそ「試験の点数を上げる」「入試に合格する」という目標に向かって、「解けるようにする」「覚える」という目的意識を持ちながらも、試験勉強に打ち込んで、学校や塾の雰囲気に巻き込まれながら勉強することが大事なのだと思います。

「勉強時間は確保しているのになかなか成績が伸びない」と悩んでいた生徒としっかり向き合って話す中で、私自身も大きな気づきを得られました。またこういったことを意識して指導をしていると、その生徒自身も少しずつ変化してきて、今後がまた楽しみになってきました。

また、この気づきによって私の指導自体も変化しています(と信じたいです笑)。そうすると、指導している中で子どもたちが「わかった!」「なるほど!」と言ってくれるたびに子どもの変化を実感できて、深く感動している自分に毎回気付かされます。

子どもたちが「わかった!」というたび、新しい自分に出会い直しています。先生になってよかった!

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