こんにちは、関屋です。
3月21日、C.schoolにとって年に一度のイベント「年次報告会」を小松川区民館にて行いました。三連休の中ではありましたが、当日お越しいただいたみなさん、ありがとうございました。
内容の整理と振り返りを含めて、今回のブログを書いていきたいと思います。
第一部:塾のビジョンとメンバー紹介
まず第一部は、塾のビジョンと講師メンバーの紹介。
塾の運営として、高校生部門、中学生部門、小学生部門とあり、またそれぞれに具体的な運営や取り組みがありますが、その根幹としての私たちの考え方(ビジョン)について、風間の方からみなさんに説明を行いました。それは子どもたちにとっての「主体的な進路選択」であり、それを通じて「なりたい自分になる」ということ、です。
続いて、講師それぞれからのメンバー紹介。このメンバー紹介のパートは一年前の年次報告会でも行ったものでしたが、そこから一年が経ち、日々の子どもたちや保護者の方々との関わりを経た中で、一人ひとりから出てくる言葉や、その言葉の厚みの変化を感じられる内容となったのではと思います。(手前味噌ですが)。
特に藤井の方からの「毎日生まれ変わっていくような感覚」という言葉。多くの子どもたちとの関わり、そしてその一人ひとりの内面性と深く向き合う日々の時間を通じて湧き出てきた感覚であり、同時に、その経験を自分自身の中で昇華していく過程、それを楽しむ姿が、哲学を愛し、思慮深い”藤井先生らしさ”だと感じました。私個人にとっても印象的な一場面でした。
第二部:高校生/中学生/小学生 各部門の紹介
続いて、具体的な運営や取り組み、今年度の振り返りと来年度の方針について、高校生/中学生/小学生の各部門ごとにお話しをしていきました。
まず考え方として、それぞれの部門がどのようなものを目指し、そしてそれを実現するために実際にどのような取り組みを行っているのか。塾の運営のご報告ということで、その全体を一通り説明させていただきました。
今回のブログでは、ここの一つひとつの振り返りは割愛させていただきます。ただ一つだけ触れると、当日の私の話は全体的に少し長かったですね、、(苦笑)。当日の動画を見ていて感じました。
ここのパートの内容一つひとつとして、また改めてまとめたいこともあるので、それはまた別の機会のブログで書くようにしていきます。(都立受験で来年度から加わる英語スピーキングなどもその一つです)
第三部:卒塾生発表
ここから、卒塾生による受験振り返りの発表です。
まず一人目のRくん。Rくんは中学三年生になってから、学校の成績(内申点)が二年生までの頃より大きく伸び、また模試での偏差値も、特に入試直前のタイミングで、合格に近づく結果を出すことができるようになっていきました。そうした自分自身の勉強の経験を通じて、工夫した勉強の仕方や、日々の中で意識したこと、来年の受験生にもぜひトライしてほしいことなどを、具体的な事例を含めながら、丁寧に話をしてくれました。
またRくんが進路に関する振り返りとして話してくれた、二つの分岐。12月に悩んでいた「私立単願にするか、都立にするか」。1月に悩んでいた「都立の受験校」。この当時のことを振り返り、自分自身がどんなことを考え、悩んでいたのか。そしてその時に決めたことを、いまはどのように捉えているのか。当時のRくんの葛藤が分かるからこそ、本人から出てくる言葉には深みがあり、本人だからこそ発せられるメッセージであったと思います。
この入試に向かう過程の中で、悩みながらも最後に「自分で決めた」こと。この受験の一年間、もしくはそれ以前から本人のことを知っているので、それが本人のこれからにとって大きな意味があり、そしてこれまでからの成長であったと思っています。
また選択肢に悩んだときに、常に難易度の高い方を選び続けたこと。私にとって印象的であったことの一つでしたが、この発表資料を作る過程で本人にそれを聞いた時に「二年生までの成功体験、英検などで合格できた」ことが自分の中で自信となっていたと言っていました。
英検などの検定は、取っておくと「推薦入試で加点に使える」など具体的なメリットもありますが、同時に、合格によってそれが本人の成功体験となること、チャレンジ出来る自分になるための一つの自信となること、そうした意味でも大切ですね。これは検定に限らず、学校の定期試験、もしくは勉強にすら限らないと思いますが、そうした成功体験を一人ひとりが積み重ねていけること、そしてそれが出来るための周りの大人のサポートは、受験生に関わらず大切にすべきことだと、私も今回の機会を通じて改めて学びました。
続いて、二人目のMさん。同じく受験の一年間の振り返りとともに、その時々にどんな気持ちだったかを丁寧に見つめなおし、受験に向かう中での、自分の気持ちとの向き合い方について話してくれました。Rくんとはまたの別の切り口で話をしてくれたため(あえてそうしてくれたようでもありましたが)、二人の発表を聞いた次の三年生にとっても、イメージが膨らむ内容となったのではと思います。
また、受験校を決定するまでの心情面での変化についても話をしてくれました。Mさんが受験をしたのは、いわゆる高倍率の人気校の一つ。その高校に対する「憧れ」の気持ちがもともとあった中で、「自分は、本当に自分の意思でその高校に行きたいと思っているのか」を一度立ち止まって考えた。それを考えるために、いくつかの観点から自問自答をして、最後、自分で決め切った。
Mさんが話してくれたこのことは、受験に限らず、なにか決める時の本質的な問いであると思います。社会的に評価をされていること。多くの人が「良いよね」と言っていること。憧れとして、キラキラして見えること。自分自身が望むものや目指すものがそれと一致していた時に、「本当にそれって自分の意思なんだっけ」って考えること、その意味をMさんの発表から私も学びました。
受験が終わり、今回の発表資料を作る過程の中で、「この一年間で自分が変わったと思うこと、成長したと思うことって何だと思う?」と聞いた時に、この受験校選びの時の話をしてくれました。以前はあまり言語化する機会こそなかったかもしれないものの、自分の中にもともとあった課題感、そしてこの受験という機会を通じて、それを乗り越えたという経験。それが本人にとっての成長であり、「なりたい自分」になれたことの一つなのだと思います。
こんな風に話をしてくれると、受験に向かう課程に関わってきた一人として、嬉しいですね。
中学3年生、一人ひとりのストーリー
そのストーリーの中では、「難易度の高い選択肢を選ぶ」人もいれば、様々な状況の中で、「受験校を変更する」といった決断をした人もいます。何かを決断しなければならない時に、本人が色々なことを悩み、選択することに対しての葛藤を抱きながら、それでも最後は決め切った姿を見てきました。
今回の発表では全体を代表して二人の中学三年生に話してもらいましたが、この一年間、入試に至るまで一人ひとり、全員にストーリーがありました。
どういう選択をしたかが大切なのではなく、その選択のために、本人が自分なりに考え抜いたこと。そして、自分の進路を、しっかりと自分で決めたこと。それ自体に価値があったと思います。選択自体には、まだ何も正解/不正解はないはず。その選択がこれからの人生にどのような意味をもたらすかは、きっとこれからの一人ひとり次第だと思います。
発表をしてくれた二人に限らず、受験の一年間を経て、中学三年生たちはそうした機会を乗り越えてきたと思っていますし、そうした機会に近くで関われたことを、一個人としてありがたく感じています。
風間のブログにあったように、発表をしてくれた二人以外に光が差す機会を作れなかったことは今回の反省点です。ほかの子たちにも必ず価値あるストーリーが存在していたことは間違いなく事実であり、それはしっかりと表明しておきたいと思います。
おまけ
年次報告会の終わりに、卒塾生に向けて、本のプレゼントを。一人ひとりの子に対して、「きっとこの本好きそうだな」「この本に出会ってみてほしいな」と思う本を選んでみました。ただこれは私の趣味ですが、すべてが「伊坂幸太郎」という作家の本です(笑)。私が当時中学一年生の頃に、伊坂幸太郎のデビュー作「オーデュボンの祈り」に出会い、それから現在に至っても、伊坂幸太郎の作品は常に私の愛読書でした。
また年次報告会を行う前の時間帯、中学三年生の子供たちの来れる子たちには塾に来てもらい、「受験の一年間の振り返り」と、「一年度の自分への手紙」、そして「感謝の手紙」を書いてもらいました。感謝の手紙は、保護者宛ての内容です。
受験を終えて振り返りをすると、それまで何度も保護者と衝突していたある子が、ごく自然に自分の親への感謝の言葉を口にしていました。でもそれはきっと、直接親に伝えるのは気恥ずかしいこと。そうしたものが、この手紙で届いていたらと願います。
年次報告会を終えて
参考になるものばかりでした。受験生になるので今日のことを活かして勉強に取り組んでいきたいなと思いました。
志望校はやっぱり自分できめることが大切だなと思いました。『やり切った』と1年後言えるように頑張っていきたいです!
受験を終えた先輩方から学ぶことが多かった。これから自分が受験をしていく中で参考にしたいなと思った。
卒業生の方の発表を聞いてモチベーションが上がった。早くから始めることをやっていきたい。自分のリズムがしっかり定まっている状態を作ることを重視する。そして、進路にすごく悩んでいるので色んな高校を比較してじっくり決めたい。
卒業生のプレゼンテーションが本当に参考になりました。家ではほとんど勉強していないのですが、卒業生の早くやったもん勝ちという言葉を信じてこれから家でも積極的に勉強していきたいと思いました。春季講習ではテストなど沢山やることがあるのでそこに向けて頑張りたいです。内申の大切さなどたくさんのことが知れました。ありがとうございました。これからよろしくお願いします。
前回に引き続き、今回もたくさんの学びを得ることができました!!中学2年生では、トータルしていうと「もう少し頑張れたのではないかな」という後悔もあったので、卒業生のはなしを存分に吸収して最高の受験を駆け抜けていきたいと思いました。メッセージもしっかり伝わり、本当にすごい話でした!!!ありがとうございました。
年次報告会を終えて、ある保護者の方とお話しをしていた時に、『学校でも、保護者への感謝の手紙は書いてくれたんですよね。その手紙に、「良い塾に入れてくれて、ありがとう」と書いてあって』と教えてくださいました。
こういう言葉に触れられる仕事、そして今の環境に、感謝です。またこれからも、よろしくお願いします。