こんばんは。c.schoolの関屋です。
7/17に第二回ディスカバリープログラムとして「志望校を考えよう」というテーマのもと授業を行いました。
事前の案内でも触れていましたが、この授業は「具体的に志望校を発見する」こと自体が目的ではありません。高校生活のイメージを持つことを通して、高校進学に対するモチベーションを高めることや、様々な高校が存在することを知ることで、自分なりの高校選びの第一歩を踏み出しやすくすることが目的のものでした。
たった一度の授業だけで志望校を発見し、決定することはきっと難しいことです。
いくつかの高校を実際に見学したり、その中で自分が大切にしたい高校選びの基準を明確にしていき、きっと何度も迷いながらも本当に行きたい高校は決まって行くものだと思っています。そのためのまず最初の一歩としての今回の授業という考えから、高校受験が迫っている中学3年生はもちろんのこと、今回は1年生2年生にも参加をしてもらいました。
授業の内容としては、高校選びに関わらず、複数の選択肢から何か一つを決定するためには「知識や経験」が必要である。それをポイントとして、授業では説明をしました。
例えば、唐突に「アルゼンチンに行ったら何をしたい?」と問われたとして、きっと大人も含めて多くの人が「分からない」という回答になってしまうと思います。
これは、そもそも「アルゼンチンで何ができるか分からない」「アルゼンチンに何があるのか分からない」状態である(=選択肢自体が見えていない)ことが背景にあります。
それでも、アルゼンチンでは「氷河が見られる」「美味しいお肉が食べれる」「綺麗な滝がある」「サッカーが見られる」「有名な教会がある」といったいくつかの”情報”が分かると、もう一度「アルゼンチンに行ったら何をしたい?」という問いに対しても、「分からない」とは少し違ったもう少し具体性のある回答ができるかもしれません。
また、アルゼンチンの例に限らず、生徒のこれまでの人生でもきっと似たような経験は何かしらあったはずです。例えば、中学での部活選び。きっと最初は部活自体のイメージが湧いていなかったと思いますが、いくつかの部活へ仮入部をしたり、先輩や友達の話を聞いたりなどして、”情報や経験”を積み重ねていく。その中で、自分なりの決定基準がぼんやりとでも明確となり、それに基づいて自分なりに入部する部活を決定していたはずです。
高校選びも、これらの例と同じはずだと私たちは捉えています。
そもそも高校生活はどんなことができて、さらに高校ごとにはどんな特徴があるのか。特徴を捉えるために、高校の特色にはどんな切口が存在するのか。
一般的に、高校受験では学力を基準として偏差値をもとに志望校を決定することが多いはずです。そして、それ自体は私たちも否定しませんし、大切な基準だと思っています。
ただ一方で、例え近しい偏差値の学校であっても、それぞれの学校に特色があり、どの学校に通うかによって、3年間の高校生活やその先の将来はきっと変わってくるはずです。(社会全体として少子化の流れもあり、多くの高校は生徒を募集するためにも「その高校らしさ」を追い求め、結果として高校の多様性もどんどん高まってきているという背景もあります。)
また、自分なりに行きたいと思える高校と出会えることで、「高校受験」というプロセスがただの苦しい勉強期間とならず、そこに自分なりの「意味」が付いてきて、きっと受験や学習に向かうモチベーションの向上にも関わるものだと思っています。
授業の中では、映像や様々な写真を見せて高校生活のイメージを膨らませていきましたが、結局のところは「実際に高校へ見に行ってみる」ことが大切なはずです。ただ、それであっても「どんな高校へ行ってみる」かも、きっと最初は迷ってしまうもの。
一人一人の生徒が何を大切にして志望校を決定したいのか、その背景として一人一人が何に関心を持っているのかなど、私たちは生徒たちへの「問い」を通して共に言葉にしていけたらと思っています。
それを一つの基準として、実際に高校を見に行き、そこからまた自分なりの基準を再度考え、また高校に行ってみて…。心から行きたいと思える高校を見つけることはきっと時間がかかるかもしれませんが、きっとそれが見つかった時の「行きたい!」と思う感情こそが、受験を含めた未来へ向かう原動力にもなるものと信じています。そして、私たちは生徒自身の主体的な意思決定をサポートし、生徒とともに伴走を続けて行けたらと思います。