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夏期講習の取り組み(番外編)

2021-09-10

夏期講習の取り組み(番外編)

こんにちは、藤井です。

さて、今回も夏期講習の取り組みについて紹介しようと思います。今回は番外編ということで、普段の授業外の時間を使った取り組みです。

一つのことをじっくり考える

ある中学校の国語の授業で、新聞のコラムを教材として使っていました。それを使った読解問題についての質問を受けたことがきっかけでした。

先週の記事でも触れましたが、日々多くの小中学生と接していて、彼らが「一つのことをじっくり考える」ということをあまり経験していないんだなと感じています。多くの子が最初は、質問をするときは決まって「わからないです」「答えを教えてください」と聞いてきます。わからないとすぐに答えを聞く、という癖がついてしまうと、本来「自分で考えて、試行錯誤をして答えを導く」べきなのに、「答えに合わせて自分の考えを決める」という逆転現象が起こってしまいます。例えば、二次方程式の問題で、「因数分解では解けないから解の公式を使って解を導く」が正しいけれど、「答えを見たら解が√◯だったので、多分解の公式を使うんだろう」と決めつけて自分で考えずに解放を覚えてしまうというようなことです。本来あるべき、「因数分解を試みて、どうやってもできないから解の公式を使う」という試行錯誤のプロセスが抜け落ちています。(「わからない」や「答えを教えてください」といった質問をしてくる子に対しては、日々の授業の中で、最初は考えられるところまで一緒に考えて、自分で試行錯誤を楽しめるようにサポートしています。そうするとどんどん自分で学ぶ力もついていくし、質問する力も高まっていくので学習の質が高まるんですよね。)

少し話しが大きくなってしまいますが、「自分で考えて、答えを導く」のではなく、「答えに合わせて自分の考えを決める」という逆転現象というのは、自分の考えを外側の基準に合わせて捻じ曲げることにつながる行為だと思っていて、私はこれに小さくない危機感を持っています。

このコラムの読解問題はテストでも特別配点が高いわけではないので、いわゆる「コスパ」が悪く、多くの生徒はほとんど読まずに終わっていました。せっかく考える種があるのに、コスパが悪いから漢字や文法の暗記だけで勉強が終わってしまう、というのはもったいない。これも前回の記事で書いた「見かけの効率に騙されない」に近いですが、短期的には一見「コスパ」が悪いように見えても、長期的にみると成績に直結したり、短期で見ても点数との関係が見えづらいだけで、実は点数に繋がっている力というのは存在します。「じっくり考える力」というのはそういうものだと思います。しかもこれはテストの点数だけでなく、その後の人生を生きる上でも重要な能力です。

一方で、自分の考えを「見直す」ことも重要です。例えば問題集を解いているときに、自分の解答と模範解答を見比べて、何が間違っていたか、もっと効率のいい解き方はなかったか、などと考えながら勉強を進めることは、勉強の基本です。

これも話しが少し大きくなってしまいますが、現代社会では、大量の情報が瞬時に流れ込んでくると同時に、目にする情報に偏りが出てきてしまいます。そんな社会を生きていく子どもたちにとって、自分の常識や当たり前を常に疑い、見直すという姿勢はとても重要だと考えています。

こういった背景から、みんなで考えて話す対話形式の授業であれば、「一つのことをじっくり考える」能力と、人の話を聞いて自分の考えを「見直す」能力を同時に育むことができると思い、子どもたちの時間をもらって授業を行いました。

「対話」をしてみよう

今回の対話で取り上げた記事は、産経新聞[産経抄]の、作曲家・小林亜星さんの訃報を悼む記事でした。彼が主演したドラマ「寺内貫太郎一家」の回想や70年代~80年代の音楽の雰囲気、彼の原点となった戦時中の音楽、師匠の服部正さんの言葉など、考えるきっかけを多く与えてくれるような、示唆に富む内容でした。

本文中の、「『高度成長の”戦争”みたいな時代は終わっているのに、まだ”軍歌”ばかり歌っていた。』」の””で囲われている言葉の意味はなんだろう?軍歌ってどんな歌?小林さんの原点となった戦時中のニュース映画の場面(「慰問に訪れた女性歌手が歌っていると、アップになった兵隊さんの足が、リズムに合わせて拍子を取っていた。」)では何が歌われてたの?そこで感じた「歌の力」ってなに?

このように各々が疑問に思ったことを出し合い、それについて自分の考えを話し、みんなで一緒に考えを深めていきました。同じ学校の生徒ばかりだったためか、みんな緊張せず自由に対話が進んでいきました。普段口数の多くない子も、しっかり自分の意見を話してくれて、「日本の学生は自分の意見を言えない」というステレオタイプがいかに正しくないか、ということを私自身学ばされました。自由に話せる「場」さえあればみんな話せるんです。

続けること

最後に感想聞くと、みんな「楽しかった」「いろんな意見を聞けて面白かった」と言ってくれて、やってよかったなあと思いました。

そして最後に結論が出なかったこと、議論をまとめられなかったことでモヤモヤしている子もいたのですが、対話をした後に残るそのモヤモヤした感じこそがすごく重要です。モヤモヤしながら家に帰ってもう一度自分で考えてみることで、もう一歩深く考えることができるはずです。そういったことも、続けていくことで生徒自身が楽しく感じられるようになると思うので、夏期講習後も定期的に続けて取り組んでいこうと思っています。

さて、いよいよ定期テストが始まりました。試験が始まった学校の生徒はすぐに勉強ができるように、早い時間帯から塾を開けています。

夏期講習が終わり息つく間もないまま試験期間に入ってからはや2週間、試験本番で100%の力が発揮できるようにサポートしていきます!

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